gleam with you

フィクションかもしれないし、ノンフィクションかもしれない

躁ちゃんと鬱ちゃんと私ちゃん

あるところに私ちゃんという女の子がいました。

私ちゃんは自分が自分であることが大嫌いで、なにかをがんばる気力もなければ体力もない自分が大嫌いでした。毎日毎日、つらいなぁ苦しいなぁとつぶやきながらも、生きてるのか死んでるのかわかんないまま息をして生活していました。

けれどそんな私ちゃんには二人のお友達がいるのです。ハッピー!

 

一人は躁ちゃんです。躁ちゃんは、私ちゃんの部屋のドアを思いっきり叩いて無神経にズカズカと部屋に入ってきます。

私ちゃん「躁ちゃん!」

躁ちゃん「私ちゃんじゃーん!いえーい!!!!死ね!!!!!!」

といいながら躁ちゃんは私の口に食べ物をガツガツ押し込んできます。

私ちゃん「モゴモゴモゴ(躁ちゃん、私は食べたくないんだよ、やめてよ)」

躁ちゃん「うるせぇ!お前は仕事してないときは、いろんなことを考えてしまって頭がパンクして苦しんでるの、知ってるんだぞ!食べろ!食べろ!そうすれば考えなくてすむから!」

私ちゃんは「それもそうだ」と思い、食べ物を次々と口に運び、その後吐きます。

また、躁ちゃんは私を守ってくれる存在でもあります。

私ちゃん「苦しいなぁ。私が生きてるのが申し訳ないなぁ。死んだらいいけど、いつ死んだらいいのか、どう死んだらいいのか。生きてても死んでも迷惑をかけるのではないか。こんな根暗デブスでさぁ。ほらまた体重増えたよ

躁ちゃん「そんなことより一緒に体重計蹴ろうよ!ホラ!」

二人で一緒に体重計を蹴って蹴って壊しました。いろんなものを壊しました。

躁ちゃんは私ちゃんが見たくないもの聞きたくないものを壊して、私ちゃんを守ってくれるのです。

 

そしてもう一人、私ちゃんにはお友達がいます。鬱ちゃんです。

鬱ちゃんも躁ちゃんと同じように、突然私ちゃんの部屋に入ってきます。

私ちゃん「あっ鬱ちゃん!」

鬱ちゃん「………」

無言のまま鬱ちゃんは私ちゃんの手をとって、地面に倒れこみます。私ちゃんも鬱ちゃんにひっぱられて地面に倒れこみました。

さっきまで立っていた床の上に寝転んでいる状況に私ちゃんは軽くパニックになっていますが、そんな私ちゃんに鬱ちゃんはボソボソと話しかけます。

鬱ちゃん「私ちゃんは疲れているんだよ。休もうよ。ずっとこのまま寝転んでいよう。さっきから頭も痛いでしょ。ずっとずっと寝ていよう?」

私ちゃんは「それもそうだ」と思い、作りかけの料理を放置したまま、汚い床の上でいろんなことを考えながら硬直するのです。

鬱ちゃんも私ちゃんを守ってくれます。私ちゃんが疲れたときには眠らせてくれて、私ちゃんが泣きたい時には大声で叫びながら代わりに泣いてくれます。

鬱ちゃんがいるから、私ちゃんはどうしようもない悲しい感情を昇華させられるのです。

 

でも躁ちゃんと鬱ちゃんは仲が悪いようで、二人同時に私ちゃんの部屋を訪れることはありません。仲良くティーパーティなんてできやしません。

そしてよく私ちゃんを取り合って喧嘩をします。二人とも私ちゃんの手を引っ張って、「私ちゃんは私と一緒に遊ぶんだ!離せこのクソアマ!死ね死ね死ね!」「………」そんな二人のやりとりの間に挟まれて、私ちゃんは疲れてしまいます。

私ちゃんは先生ちゃんに「躁ちゃんと鬱ちゃんが喧嘩をするのがつらいです。そして、躁ちゃんからの鬱ちゃん、鬱ちゃんからの躁ちゃん、その差が激しくて体がもちません。気持ちもついていきません」と相談しました。先生ちゃんは、躁ちゃんと鬱ちゃんを部屋に来なくさせるスイッチをくれました。

ねぇねぇ、私ちゃん。先生の言いつけ通りにこのスイッチを押してるけど、まだまだ躁ちゃんと鬱ちゃんはお部屋にやってくるんだ。でもね、押し続ければ、そのうち遊びに来ないかもしれないよ。

でもね、でもね、躁ちゃんと鬱ちゃんが遊びにこなくなってしまったら、ほんとうに私ちゃんは一人ぼっちになってしまうよ。私を守ってくれて、優しく抱きしめてくれる二人のお友達がいなくなってしまうんだよ。そうしたら私ちゃんは一体何になるのかな?私ちゃんって、躁ちゃんといる時が私ちゃんなの?鬱ちゃんといる時が私ちゃんなの?ねぇ、スイッチを押しても、押さなくても、私ちゃんがいる限りダメなんだと思うよ。

どうしたらいいですか?